2017年7月1日土曜日

フラクタル その2

今回は、フラクタルに関する別の動画について書いてみたいと思います。

"8.4: Recursion with Transformations - The Nature of Code"
(ちなみに英語です)

直線を引いて、左右にそれぞれ30度向きを変えて直線を引いて、それぞれの直線に対して左右にそれぞれ30度向きを変えて直線を引いて、それぞれの直線に…、を繰り返し、木のような絵を描くものです。角度を増やしていくと、

30度

45度

60度

75度

90度

向きを変える角度が30度では木のように見えなくもないですね。角度が大きくなると人工的というか、何かのデザインに見えますね。

前の記事もそうですが、このようなプログラムでは「再帰」(recursion)というものを使います。同じことを設定を変えながら繰り返すのですが、ただの繰り返しとは違います。

たとえば、今回の木のような絵を描くために

『枝分かれした直線を描く』

という機能をプログラムで作るとします。この機能は

「直線を引いて、左右にそれぞれ30度向きを変えて直線を引く」

というものですが、少し変えて、

「直線を引いて、左右にそれぞれ30度向きを変えて『枝分かれした直線を描く』機能を使う」

とします。まとめると、

『枝分かれした直線を描く』機能の中身は
「直線を引いて、左右にそれぞれ30度向きを変えて『枝分かれした直線を描く』機能を使う」である。

となり、機能の中身に、その機能自身が入っているので、延々と繰り返されることになるのです。こういうものを「再帰」(再び自分自身に帰る)といいます。

ただ、本当に延々と無限に繰り返すわけにはいかないので、実際はどこかでストップをかけないといけません。

今回見た動画の他にも、別の方法で木の絵を描くものが、同じくDaniel Shiffmanさんが作った動画の中にあるので、また、記事に書いてみたいと思います。

2017年5月29日月曜日

フラクタル その1

しばらく、何も書いていませんでしたが、また何か書いてみようと思います。

最近は、"Processing"という、コンピュータプログラミングができるソフトを使って、お絵描きしたり、アニメーションしたりしています。だいぶ前に、黄金角の記事を書いたときに、このProcessingを使っています。

今回は、YouTubeで見た、フラクタルに関する動画について書いてみたいと思います。
"8.2: Fractal Recursion - The Nature of Code"
(ちなみに英語です)

「フラクタル」とは、図形の一部が元の図形の縮小されているようなもののことをいいます。ブロッコリーの枝分かれした部分を取ってその形を見ると、元のブロッコリーの縮小された形になっている、などがその例です。

今回見た動画では、

「ある半径の円を描き、その円の左端、右端、上端、それぞれを中心に半径を半分にして円を描き、それらの円の左端、右端、上端、それぞれを中心に…」

ということを繰り返すプログラムを解説していました。(実際の動画は「上端」ではなく「下端」です)

順を追って絵を描いてみると、「ある半径の円を描き、」
「その円の左端、右端、上端、それぞれを中心に半径を半分にして円を描き、」
 「それらの円の左端、右端、上端、それぞれを中心に…」
 そして、これを繰り返すと、このようになります。
 三角形が浮かび上がってきました。これは「シェルピンスキー」の三角形と呼ばれるものです。普通は直線で以下のように描きます。
円を描いていったら三角形ができるというのはおもしろいですね。「円の左端、右端、上端」の三ヶ所を繰り返し描いているからなのでしょうが、動画を最初見たときは「えぇっ!?」でした。

ちなみにこの動画は、Processingを使って自然界の法則等をコンピュータ内で実現してみるという、教材動画の一部です。もとは"The Nature of Code"という本があって,それを基に解説しています。この本の著者のDaniel Shiffmanさん、というかたが動画で解説しているのですが、なかなかおもしろいかたです。

このほかの動画についても、いずれ紹介したいと思います。

2015年8月23日日曜日

月の満ち欠け

単なる備忘録です。

月は右から明るくなっていき、満月の後は右から暗くなっていく。

以上。

2015年4月16日木曜日

おうぎ形

算数や数学で「おうぎ形(扇形)」というのが出てきますが、数学の教科書などでは「円の2つの半径と弧で囲まれた図形」と書かれています。普通は、


のような形をイメージすると思います。これが「おうぎ(扇)」の形に似ていることから「おうぎ形(扇形)」といわれているのでしょう。


しかし、「円の2つの半径と弧で囲まれた図形」であれば、


のような形も「おうぎ形」と言えることになります。普通はこのような形をした扇は、あまり見かけませんが(うろ覚えですが、見たことがあるような気もします)、数学ではこの形も「おうぎ形」になります。

ところで、「おうぎ形」を英語ではどう表すのか気になって調べたところ、一般的には"fan-shaped"となっており、直訳すると「扇の形をした」となります。数学的な英語としては"sector"となっていました。"sector"は"section"(区分、部分)から派生した言葉なのだと思います。「円の一部分」ということなのでしょう。"sector"であれば、上に示したどちらの形でも当てはまります。

2015年1月23日金曜日

センター試験2015

センター試験から何日もたっていますが、数学の問題を解いてみました。

 数学は初めて新課程での内容となっており、I・Aは、今までの4問必答から、3問必答プラス、3問から2問選択となっています。必答の3問は「2次関数」、「論理・三角比」、「データの分析」で、「データの分析」は新課程で学ぶようになったものです。あまり難しい内容ではないので配点は低いです。選択問題は「場合の数」、「整数問題」、「図形」で、「整数問題」も新課程で学ぶようになったものです。 

II・Bのほうは、2問必答なのは今までと同じですが、選択問題は「コンピュータ」がなくなり、3問中2問選択となっています。必答の2問は「三角関数・指数関数」、「微分・積分」で、選択問題は「数列」、「ベクトル」、「確率分布」となっています。「確率分布」は数学Cから移ってきたものですが、それ以外は今までどおり、といった感じです。 

余談ですが、私は中学の頃からコンピュータは趣味でやっていたので、もし、そのころ「コンピュータ」の問題があれば、やろうと思えばできたかもしれません。でも学校で学んだわけではないので、センター試験でそれを選択したら邪道だと思われるでしょうね…。

 これらの問題の中で目を引いたのは、II・Bの第2問「微分・積分」の(1)です。なんのことはない、微分の原理で、まずは平均変化率の式を出して、その中のxの増分を0に近づけたものが微分係数である、というだけなのですが、ここでつまずいたりする人がいるかもしれないと思いました。 

受験での数学の勉強は、公式を覚えて使えるようになることに力を入れ、どちらかというと原理や、公式の導出はほったらかしになりがちのように思います。限られた学習期間では仕方のないことなのかもしれませんが、それでいいのか、という気もします。

 以前、東大の入試問題で「円周率が3.05より大きいことを示せ。」というのがありました。これは円周率の定義と、昔の人が円周率をどうやって求めたか、を知っていればできる問題です。「円周率は3.1415…」を知っているだけでは手の出しようがありません。 

上に書いた「昔の人」とは、アルキメデスのことなのですが、この辺の話は別の機会に書きたいと思います。そういった昔話などを知るなどして、受験のためだけでなく、数学に興味を持つ人が出てくれたらと思っております。

2014年12月15日月曜日

I Taw a Putty Tat.

ルーニー・テューンズという、アメリカのアニメーションのシリーズをご存知でしょうか。バッグス・バニーやダフィー・ダックなどが出てくるのですが、数あるキャラクターの中で「トゥイーティ」という小鳥がいます。

日本語吹き替えでは、「やっぱり」を「やっぱい」と言ったり、「わるい」を「わうい」と言ったりと、幼児言葉のようなしゃべり方になっています。実は元の英語版でも舌足らずなしゃべり方になっており、

"I thought I saw a pussy cat."

と字幕でかかれているところが、

「アイ・トート・アイ・トー・ア・プティ・ターット」

という感じに聞こえます。英語のウィキペディアを見ると、英語では

"I tawt I taw a putty tat."

となるようです。実際、このブログ記事のタイトルにも書いた、

"I Taw a Putty Tat."

というタイトルのストーリーもあります。

元の声優さんによると、これは幼児言葉ではなく、鳥がしゃべったらこんな感じになるだろうと想像して、このようなしゃべり方になったのだそうです。

私がこのような幼児言葉のような英語を知るきっかけになったのは、ジャズ・ピアニストのボビー・ティモンズの曲「ダット・デア(Dat Dare)」でした。本来は"That There"となるところを舌足らずな感じで話すとこのようになるのでしょう。

ちなみに、"That There"を日本語で書くと「ザット・ゼア」になるのでしょうが、"th"の発音が、英語を話す人には「ダ」に近いと感じられ、日本人には「ザ」に近いと感じられる、ということなのでしょうか。自国語としての英語、外国語としての英語、それぞれの考え方の違いということなのかもしれません。

自国語としての英語、外国語としての英語、それぞれの考え方の違いということなのかもしれません。

2014年11月1日土曜日

黄金比

以前このブログで「黄金角」のことを書きました。このブログはアクセス数が多くはありませんが、「黄金角」の記事は他より多くのアクセスをいただいています。2匹目のどじょうはねらえるのでしょうか…。

そもそも黄金角とは、360°の角度を黄金比で分けたものですが、黄金比とは、およそ1:1.6の比率のことで、整数比で書くとおよそ5:8、ということになります。厳密には


となります。

数学者ユークリッドは、「ある線分において、全体に対する長い部分の比が、長い部分に対する短い部分の比と等しくなるとき、線分は黄金比で分けられている」と定義しています。

上の図では、c:a = a:b となります。c=a+b なので、a+b:a=a:b と書き換えられます。
これは比例式というもので、外側2つをかけたものと内側2つをかけたものが等しくなります。よって

移項して

これをaについての2次方程式と考えると、
という解が得られます。今、aはbより大きい、としているので、aとbの比は上に書いたとおりになります。

ユークリッドは紀元前300年頃の人ですが、黄金比は、それ以前にギリシアのパルテノン神殿(紀元前440年頃)や、その後のレオナルド・ダ・ビンチ(15~16世紀)の設計図や絵画にも現れています。ユークリッドは黄金比を発見したわけではなく、人々に紹介する役目を果たしたといえるでしょう。

黄金比は正五角形やフィボナッチ数列などとも関係がありますが、それについてはまた書いてみたいと思います。