2012年5月3日木曜日

ジャクソン・ポロック

東京国立近代美術館のジャクソン・ポロック展に行ってきました。

ジャクソン・ポロックの名前を最初に知ったのは、とあるジャズ関連の本でした。(私はジャズが好きです)

ジャズトランぺッターのクリフォード・ブラウンが1956年に自動車事故で亡くなったのですが、ポロックも同じく1956年に自動車事故で亡くなっています。(前年の1955年には俳優のジェームス・ディーンも、です)

その本で、ポロックの名前を知ったのですが、実際の作品を知ったのはその後で、オーネット・コールマンの「Free Jazz」というアルバムのジャケットにポロックの絵が使われていたのです。

いわゆる抽象画というもので、筆でキャンパスに直接描くのではなく、筆を動かしながら絵の具を上からたらす、という方法(「ポーリング」というそうです)で描いています。「Free Jazz」のジャケットに使われていたものは鮮やかな作品で、印象に残っていました。
残念ながら、ジャケットに使われていた作品は展示されていなかったのですが、大きなキャンバスに描かれた作品群には圧倒されましたね。

展覧会では当然写真撮影は禁止なのですが、一カ所だけOKな場所がありました。


ポロックのアトリエを再現したエリアが設けられていたのです。まあ、本物ではないので撮影OKなのでしょう。ただし、棚に置かれている絵の具の缶などは実際に使われていたものだそうです。

また、展示場の壁には、所々にポロック本人と周囲の人が残した言葉が日本語と英語で書かれていました。
その中に、

ジャクソンが口火を切った。
Jackson broke the ice.

とありました。「火」と「ice」、もちろん「broke the ice」を「氷を割った」と直訳しても意味は通ると思いますが、こういう訳もいいですね。

2012年4月23日月曜日

スペースシャトル

昨年7月で全ての任務が終了したスペースシャトルですが、その中の一つであるディスカバリー号がスミソニアン博物館に展示されることになりました。

スペースシャトルはフロリダのケネディ宇宙センターに置かれていたのですが、4月17日にジャンボジェット機で、スミソニアン博物館があるワシントンD.C.に運ばれました。
その時の様子がNASAのWebページにあります。

http://www.nasa.gov/mission_pages/shuttle/main/discovery_departure.html


ジャンボジェット機の上にスペースシャトルが乗っていて、「親亀の上に子亀」状態です。
ちなみに、ジャンボジェット機の中身は、NASAのホームページに次のように書いてあります。
http://www.nasa.gov/topics/nasalife/features/shuttle_museum.html

Imagine flying from Florida to D.C. with nowhere to sit, no air conditioning, no place to store your bags -- not even a bathroom. Imagine flying anywhere under those conditions.

座席等は取り外されているようですね。「bathroom」というのはこの場合「浴室」ではなく「お手洗い」という意味になります。

もちろんこれは機体を軽くするためですが、それでも機体の重量は250,000ボンド(約110トン)だそうです。スペースシャトルの重量が176,000ポンド(約80トン)だそうなので、燃料も2倍必要になるようです。(上記URLから抜粋)

The planes' passenger areas were stripped of creature comforts, such as galleys, carpeting and even part of the inside temperature duct work -- all for the sake of reducing weight. But the weight still is more than 250,000 pounds, and the drag created by the shape and weight of the orbiter -- 176,000 pounds or more, depending on the payload -- negates the small amount of lift it adds. During a normal flight, the SCA might use 20,000 pounds of fuel an hour; with an orbiter on its back, that number doubles.

「creature confort」は「居住性」、「galley」は「(航空機内の)厨房」です。「payload」は「荷重」ですが、荷物そのものを指すことも有ります。
「for the sake of」は「〜のために」という意味ですが、目的、利益の意味で使われ、何かの理由の意味で使われる「because of」とは区別されます。

ディスカバリー号は、今後はスミソニアン博物館に展示されますが、ここには元々エンタープライズ号が展示されていました。(エンタープライズ号は地上への着陸試験のために造られた機体で宇宙には行っていません。)この2機が対面しているのがNASAのWebページにあります。。

http://www.nasa.gov/multimedia/imagegallery/image_feature_2229.html


なんだか、あいさつを交わしているように見えます。エンタープライズ号はこの後、イントレピッド海上航空宇宙博物館に、今回もジャンボジェット機で運ばれます。

2012年3月26日月曜日

宇宙飛行士

先日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の星出宇宙飛行士を含む、3人の宇宙飛行士が7月
からISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在するということで、記者会見が行われました。アメリカのNASA(アメリカ国家宇宙局)での記者会見なので、基本的には英語で話されていました。
Expedition 32/33 Crew Members Discuss Next Mission(Youtube)
(動画サイト「ニコニコ動画」では通訳付きで放送されていました)

記者のかた、宇宙飛行士のかた、共に「宇宙飛行士」を「astronauts and cosmonauts」と言っていました。辞書で調べてみると、アメリカ人、日本人の場合は「astronaut」、ロシア(旧ソ連)人の場合は「cosmonaut」なのだそうです。

ちなみに「astro...」は「星、宇宙」、「cosmo...」は「世界、宇宙」を意味しています。
astrologer 占星家
astronomer 天文学者
cosmology 宇宙論
cosmopolis 国際都市
などあります。あと、「cosmo...」は「コスモ」ではなく「コズモ」と濁った発音になります。

動画サイト「ニコニコ動画」では単独インタビューの放送もあったのですが、その中で、星出さんは、自分が話せる言語は「2.5つ」と言っていました。英語、ロシア語、0.5は日本語だそうです(!?)。小さいころアメリカに住んでいた、というのもあるようですが。
ちなみに星出さんの英語勉強法は「覚えるより慣れる」ということで、英語のラジオをつけっぱなしにしておくとか、英語で日記をつけるなどしていたそうです。

2012年3月6日火曜日

黄金角

「黄金比」という言葉があります。料理で「調味料の黄金比」などと書かれることもありますが、数学の世界ではおよそ1:1.6の比率のことを指します。
「黄金角」とは、360度を黄金比で分割した時の角度です。具体的には約222.5度と約137.5度になり、このうち小さいほうの約137.5度のことを指します。
コンピュータ雑誌「日経ソフトウエア」2012年4月号に、コンピュータプログラムでの数学や物理に関する記事があって、試しにプログラムを動かしてみました。これは黄金角の角度分で回転させながら、らせんを描かせたものです。
本当は、
こんな感じで描いているのですが、飛び飛びに点を打っているので、
この図の赤や緑の点がつながっているように見えると思います。

これはヒマワリの真ん中の部分の種のつき方など、自然界でもよく見られるものです。
ちなみに、黄金角から少しでもずれると、
のようになります。これは137.0度の場合で、中心から左回りに外側に伸びているように見え、右回りのものは現れません。ヒマワリについて言えば、どちらにも偏らずに効率よく種を付けようとした結果なのでしょう。